魚になれない



かみさま。
ぼくだけの、かみさまだったんだよ。

まるで水中で呼吸を繰り返しているようだと思ったんだ。吸い込めば肺一杯に水が流れ込んでくる。きっと死んでしまう。苦しい。涙が水に溶け合って水中のバランスが崩れてしまう。細胞が死んでしまう。苦しい。苦しいんだよ。ぼくはいつまで呼吸困難でいればいいの。空気がないところで、人は生きられないんだよ。魚が陸に上がることは不可能でしょう。大空を舞う鳥も常に羽を休める場所を求めて自由などではないでしょう。
誰がそれを自由だと呼べたんだろう。誰がそれをかみだと呼んだんだろう。
ぼくにとって、自由は君の隣にあって、ぼくにとって、君がかみさまなんだよ。君と云う存在なしに、僕は呼吸をすることさえ儘ならないのに。
(まるで水中に居るようなんだ。君が居ないだけで、それだけで、僕の呼吸は止まってしまう。心臓が機能しなくなるんだ。ぼくにとっては、君がすべてなんだよ。)

そう云って、涙を流せば、君はまた眉を顰めて、勘違いだ、とでも云うんだろうね。
(どれほどのおもいかしっているはずなのにね、ひどいなあ。)